
こんにちは、あきんこです。
私の会社でも先月頃から春闘が始まりましたが、世間でも春闘の風が強くなってきました。
今回、春闘について改めて考えると共に各社の動向を見てみました。
結構業界によっても、会社によっても個性が出てくるので、
経営が悪化しているかしていないかの判断材料にもなります。
目次
そもそも春闘とは?
各企業等の労働組合は、全国中央組織の労働団体や産業別組織の指導・調整のもとに、毎年春に賃金引き上げ等を中心とする要求を各企業等に提出し、団体交渉を行います。これを一般に「春闘」と呼んでいます。現在の春闘方式は、1956(昭和31)年から始まったと言われており、半世紀以上の歴史があります。
なお、春闘の時期以外にも年末一時金(賞与)や休暇制度など、さまざまな課題について労使交渉が行われています。
(厚生労働省のHPより)
分かりやすく言うと、「春闘」とは、サラリーマンたちが会社とは別の団体をつくって、
「給料を上げてくれ!ボーナスを上げてくれ!福利厚生など待遇を良くしてくれ!!」と
会社の社長・経営陣に交渉することです。
社員1人の力だと経営陣に対しての影響力は少ないので、
団体で交渉することに意味があるのです。
この団体を「労働組合」といいます。
春闘は業界・会社の経営状況が反映される!?
いくら労働組合が強くて社員の給料を上げたところで、会社の収支が悪化して倒産したら
もともこうもありません。
儲かっている業界・会社でしか、労働組合の待遇アップを了承することができません。
なので、春闘は景気連動型と言えます。
労働組合からの処遇アップ提示に最終的に応じられる業界・会社は、今年度の経営が良かったもしくは、来年度経営が良くなる見込みがあるところです。
春闘の行われ方について
「春闘」は2月頃から交渉の準備が進められます。
労働組合から組合員に対して、その年の交渉する条件を提示します。
そして、組合員の意見を収集して条件を固めていきます。
その後、社長・経営陣と交渉します。
私は、労働組合の役員(会社内で数名、代表を選出して決められる)だったこともあり、結構熾烈な戦いが繰り広げられているのを目の当たりにしました。
その時の経営陣・労働組合の役員たちは徹夜な勢いです。。。まじで泊まり込みの戦いです。
2017年の各業界の動き
さて、まだ交渉中ではありますが、各業界の動きをざっくり見ていきたいと思います。
自動車メーカー
トヨタは、今年はベア(ベースアップ=基本給UP)ゼロと言われていたが、4年連続ベアを実施する方針だそうです。
自動車労組がベア3,000円の要求書を提出したとのことでした。
(これは2016年の賃金改善分と同額の金額で、強気の姿勢です。)
ボーナスは、下記の要求となっています。(大手3社)
トヨタ:6.3カ月分(昨年妥結7.1カ月分)
日産自動車:6.0ヶ月分(去年妥結5.9カ月分)
ホンダ:5.9ヶ月分(5.8カ月分)
去年に比べたらトヨタは下がっているものの、
他社から比べるとやはり高い水準となっています。
自動車業界は、まだ余裕があり強いです。
造船重機
ベアは各社月額4000円です。
ボーナスは、各社とも良い水準です。
三菱重工:62万+4.0か月分(昨年妥結64万円+4.0か月分)
IHI:5.4か月分(昨年妥結4.5か月分+5万円)
住友重機械工業:5.6か月分(昨年妥結5.3か月分)
通信
NTT:月額4000円アップ(ベア)
KDDI:月額3400円アップと、契約社員のボーナス(賞与)査定の見直し(小額しか支給されていなかったのを正社員と同じように●か月分で清算との要求)
通信業界は、安定的な姿勢で契約社員などの有期雇用の待遇を良くしようという施策が強いです。
そして、結構強気・・・
電機
3000円のベア要求が、昨年度と同水準は厳しいとの見解により1,000円で最終調整中です。
日立製作所は一時金5.9か月分(昨年妥結5.69か月分)を要求しています。
パナソニックは一時金4.0か月分を要求しています。
シャープは一時金4.0か月分を要求、ベアは見送りだそうです。
電機大手のベアは4年連続ですが、経済の不透明感増大や各社の業績悪化を受け、水準は前年の1500円を下回りっての調整となっています。
労組側は前年と同じ3000円を要求していますが、長期的な人件費の増加を嫌う経営側の抵抗は強かったようです。
鉄道
私鉄総連は月額5600円のベア要求
JRは月額3000円のベア要求
依然として鉄道業界は手堅い感じですね。
ただ、昔はストライキをしていましたが、最近ではストライキはなくなりました。
金融
生命保険:安田生命が内勤社員のベア要求平均2200円。
損害保険:ベア要求見送り
銀行:2016年はマイナス金利導入に伴う収益悪化を懸念したため、組合側がベア要求を見送ったが、2017年は三井住友銀行のみベアを要求の方向。 みずほフィナンシャルグループと三菱東京UFJ銀行の労組は、ベア見送りです。
今回も金融は、動きが弱い方向です。。。
関係者の話によると、減収減益という決算動向や、マイナス金利による利益縮小などを踏まえた上での決定だそうです。
デフレ脱却を狙いとしたマイナス金利だが、銀行業界には足かせとなっているそうです。
まとめ
今回色んな業界をまとめてみましたが、全体的に勢いは落ちているようです。
理由としては、マイナス金利や世界経済の不安定さによって経営環境の厳しさが大きく影響しているようです。
政府の雇用を良くしていこう、景気を良くしていこうという施策は分かるのですが、まだまだ各社がついていけてないようなそんな感じも見受けられますね。。。
どんどん物価が上がる中、賃上げも伴っていかないと生活的に厳しくなっていくのですが、もう少し先の話になりそうです。
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