
住宅ローンの金利が最近少し上がってきました。
日経新聞では住宅ローンで「変動金利」を選ぶ人が過去最高の56%となったと掲載されていました。(2018.07.04)
「とりあえず、金利が安いから変動金利にしちゃったけど・・・大丈夫かな??」という人も意外と多いのではないかと思います。
ちなみに私も低金利の恩恵を受けるため、「変動金利」を選んでいます。
今回は、変動金利の気を付けるポイントとメリット・デメリットについて書いてみます。
目次
住宅ローンの金利の種類

住宅ローンの金利の種類は大きく3つあります。
- 変動型(半年ごとに金利見直し)
- 当初期間固定型(当初期間は固定し、その後は変動型)
- 固定型(借入期間中はずっと金利は変わらない)
金利の安さとしては、
変動型<当初期間固定<固定型
となります。全期間の固定型は金利は高いけれど、長く借りるなら支払う負担が変わらないという安心感があります。
これをふまえた上で、変動型のメリット・デメリットを考えてみたいと思います。
変動型金利を選択する人が増えている理由とは?
ここ2~3年間で固定型よりも変動型を選択する人が増えています。
下のグラフは、変動型、固定型を選択する人の割合を示しています。

(グラフは日経新聞より)
変動型を選ぶ人が多い理由としては、
- 低金利の長期化を予想しているため(なかなか物価が上がらない)
- 不動産価格が上昇しているため金利を安くしないと毎月の負担がキツイから
- マイナス金利施策により、金融機関の固定型の金利競争の存在が薄くなったため
- 金利が低くなったため、変動型への借り換えをする人が増えた
などの理由があげられます。
よく、住宅ローンなど長期のローンを組む場合は、
- 金利が低い場合⇒固定型金利を選択
- 金利が高い場合⇒変動型金利を選択
した方が良いと一般的には言われます。
理由としては、金利が低い場合は、必ず上がるからです。
また、金利が高い場合は、下がる可能性があるからです。
ただ、現状では逆の動きをしているということです。
今回、この変動型金利の過去最高数値を見て、心配になるのが「変動金利」の特性を分かった上で、選択しているのかです。
変動金利で気を付けるべきことは、金利が低ければ、必ず金利が上がる時代がくるということです。
変動金利にした方が良い人とは?

私が思う変動金利にした方が良い人をあげてみます。
- 借り入れ金額が高くない人
- ローンが増えても返せる余力がある人(他の資産運用で増やす等の余力がある人)
- 繰り越し返済をして借り入れ期間を短く設定する方針の人(10年~15年くらい)
変動金利のメリット:返済金額が安い(元金の返済を早くできる)
変動型は、5年ターンで金利の見直しがされるため、固定型よりも安い金利で設定されています。
ちなみに、現在のパターン別金利(最安値)は、
- 変動金利 0.457%~
- 固定金利3年 0.380%~
- 固定金利5年 0.500%~
- 固定金利10年 0.620%~
- 全期間固定金利 0.710%~
(2018年7月2日現在、価格.comより)
です。金利0.1%違うと、例えば3,000万円ローン・30年払いだと月々約1,000円~1,500円程度の違いになります。
正直、将来どのくらい金利が上がるのかは誰も分かりません。
変動金利のデメリット:金利が上がる可能性がある
変動金利のデメリットは、10年、20年後は金利が大きく上がる可能性もあるということです。
上記の3,000万円のローンで0.1%上がると1,000円~1,500円上がるというように、数%上がるだけで、簡単に月々の負担が数万円上がることもあります。
もちろん、20年後には返済額が進んでいて、元金は減っているので影響度は低くなりますが、それでも負担額が上がることに対して精神的なストレスを感じてしまう人には向かないですね。
ちなみに変動金利は、金利が上がっても支払い額が変更されるのは5年後なので、実質負担額が変わるまでは猶予があります。
そして、上がる際はローン返済の上昇額は125%までというルールも決まっています。ただし、負担は125%でも金利は上がる可能性はあります。その場合は未払い分の金利を最後一括で返済することになります。
(ただし、元金均等返済の場合は、変更する可能性があります)
金利が上がったら変動型金利から固定型金利に切り替えというのは現実難しい・・・

よく不動産のセールスマンが、
「最初は変動型金利にして、将来金利が上がったら固定型金利にすれば良いんですよ~」
とセールストークとして使うことがあります。
でも、これは、変動金利の方が月々の負担金額が安いため、物件を買わせやすいとして営業マンが使っているだけで、実際は金利が上がったと分かってから固定型金利に変更するのは厳しいです。
理由は、変動型金利よりも先に固定型金利の方が上がるからです。
そして、
- 変動型金利⇒政府の金利施策に連動
- 固定型金利⇒10年国債利回りに連動(市場の動向)
なため、実は違った指標で動いているので、固定型金利が上がっているからと言って、変動型金利が上がるわけではないのです。
まとめ
私だったら、一般のご家庭で自分たちが住む住宅ローンを長期で借りるのであれば、今の超低金利の時代であれば、迷わず「固定金利」を選択します。
ただ、数万上がっても毎月の支払いに余裕がある人は変動型金利でも良いと思います。
また、このローンの他に10年後、20年後に発生(高騰)するのが修繕費です。
そもそも、ギリギリのローン支払いで考えると後々、自分たちの首を絞めてしまうことにもなりかねないので、ローンを組む時は慎重にですね・・・。
(参考:タワーマンションのモデルルームの見学に行って驚き!見栄で購入したら絶対後悔する!)
変動金利にするにしても、金利が上がった時のシミュレーションをして、その金額なら払える予算であれば、今の低金利で変動金利を選択することです。
(ちなみにバブル期は8.5%まで金利が上がりましたが、ここまで上がることはないにしても、シミュレーションして気を引き締めるのも悪くないですね)
住宅ローン一括審査申込で各社の金利を見てみるのも良いですね。個人の属性によっても金利は変わってきます。
ちなみに私は、不動産投資をしていて繰上げ返済で期間短く返していく予定です。
>>2018年の私の投資方針について公開*つみたてNISA/海外ETF/不動産投資の考え方について
>>繰上返済はすべきか!?繰上返済の効果と気をつけるべきこと~1回目繰上返済完了~
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